サラリーマンや公務員は副業禁止?
サラリーマンの方や、公務員の方は副業禁止だと言われたりすることがあります。
サラリーマンの場合はともかく、公務員は明確に「副業禁止」と定められており、具体的には公務員法という法律によって副業が禁止であると定められています。
こちらは理由も明確に記載されており、納得出来ないのであれば辞めろ。と言われるような状態です。
まず、公務員法による禁止の理由は3つあります。
1つ目は国家公務員法の101条の「副業を行うことで職務に専念できない」というもの。
これは単純に基本の職務を終えた後に副業する体力があるのか、という事でもありますし、仕事後の副業に気をとられて本業が疎かになる可能性があるという事でもあります。
別に本業はおろそかにしない、という人も居ますが、そもそも「可能性がある」という時点で駄目なのです。
2つ目は国家公務員法の100条「秘密保持ができない」というもの。
基本的にどの職種でもあまり仕事の事についてべらべらと外部に話すのはいい顔をされません。
特に公務員は国家公務員というだけあって、国に従事するといってもある意味間違いではないお仕事です。
例えばお役所仕事なんかは個人情報を数多く取り扱います。
そんなお仕事をしている方が副業をしていれば、それだけ外部の人間と接触する機会が増えてしまうということでもあります。
そして最後の3つ目は国家公務員の99条「信用を失う」というもの。
公務員というお仕事は全樹の通り、国あるいは国民全員に奉仕するといっても過言ではない職業であり、何よりも中立的であり公平な立場であるべき職業です。
これは義務であり、副業をするということは別の組織に属するという事であり、本人にその気があろうとなかろうと、第三者に便宜を図っていると疑われてしまうことに繋がります。
1つ目の理由でも書いたとおり、「可能性がある」という時点でアウトなのです。
会社員の副業禁止というのも、同じような理由になります。
特にフルタイム勤務のお仕事である会社員が副業をするのは、睡眠時間を削るであろう事であり、体力的にも負担になります。
そして企業内での企画などが外部に漏れてしまう可能性もありますし、そんな可能性を持つ人材には信用は持てないでしょう。
会社員は働き方改革で副業可能に、公務員にも例外はある
さて、禁止されている理由については語りました。
近年は働き方改革により徐々に副業が解禁されるようになった会社も増えてきましたが、まだまだ副業禁止の企業も多く存在しています。
憲法においても「公共の福祉に反しない限り」という条件の元、職業選択の自由というものが保障されています。国家公務員法で禁止されている公務員はともかく、普通の会社員であれば副業は「職業選択の自由」の範囲内なのです。
とはいえ可能性があるからとむやみに禁止にしているわけではなく、過去に副業が理由の事件が何度も発生しているからこそ、そういった事が起きるのを防ぐために禁止にしているという企業が大半です。
職業選択の自由が働く側にあるとするなら、企業側にも、企業の不利益と不祥事が発生しないように防ぎ、社員を守る義務があります。
少し考えればわかる、学校でも習うような常識として「個人の行動が組織の評判に関わる」という事をちゃんと理解していれば、自分が副業することによってどのような影響が会社、そしてそこに所属している人間に出てくるのかが想像できるでしょう。
公務員の例外として、「職員の業務と利害関係が明らかにないこと」「副業が業務遂行に影響を及ぼさないということ」「業務の公平性や信用性に支障が出ないこと」という条件を満たした上で、かつその所属している組織の長から許可を得た場合のみ副業が認められます。
この場合認められるのは、「店舗を構えず、大量売買を行わず、定期的・長期的に取引を行わないネット販売・オークション」などでしょう。
逆に「長期的に勤務することになり、お客と接する事になる客商売」なんかは許可されないと考えて良いでしょう。
副業による罰則について
実際に副業していることがバレたらどうなるのか?
まず公務員に関しては罰金、そして場合によっては退職処分となります。
これは国家公務員法に違反しているという、れっきとした犯罪のため当然の処置であると言えます。
では法律的に禁止とされていない会社員ならどうでしょう。
裁判所は勤務先会社への大きな背信行為、例えば企業の情報をぺらぺらと副業先で喋ったりするなどといった不利益になるような行為が無い場合や、勤務に支障がないレベルの副業で、会社が社員に対し罰則を与えることを認めていません。
つまり企業にとって不利益が発生しない程度の副業であれば罰せられないということ。
しかしいくら罰せられないといっても、それは罰則を与えられないという程度の話であって、企業側にとって副業をしていた会社員に対する印象は悪くなります。
そうなれば昇給・昇進・ボーナスになんらかの影響が出る事は容易に想像できるでしょう。
まとめ
以上、副業が禁止される理由や違反した場合についてなどを解説していきました。
どうしても副業がしたいという時は、隠れてやるよりもいっそ相談したほうが良いでしょう。
何事も誠実に、そして真摯に対応することで許可されることがあるかもしれません。