時代の価値観がどんどん変化してきています。会社員をやりながらも副業で稼ぐというスタイルも特に珍しいものではありません。大手企業に勤めていればが安泰というのは昔の話。現代は、能動的に動いて自分の生活にマッチした勤務形態を模索する生き方が求められています。今回は副業で農業をするには何をすればいいのかや、特に注意すべき点について具体的に解説します。
副業で農業をすることの魅力
副業で農業をすることによって味わえる特典。それは自然を満喫できることです。
人類の祖先は大自然に育まれて繁栄を続けてきました。しかし、都市化が進むにつれて自然と触れ合う機会が減少します。
デスクワークが主な業務であれば、パソコンと向き合う時間が必然的に長くなります。空き時間にもスマホに触る習慣がついてしまうと、神経は休まりづらくなるでしょう。しかし週末に農業に携わることができるとしたら、それだけで自然のエネルギーをもらえます。
物質的文化が発達することによって、我々の暮らしはどんどん便利になりました。それと引き換えに失ってしまったものは少なくありません。
農業は大切なことに気づかせてくれるだけでなく、上手にビジネス展開していけば収入まで得られます。登山や森林浴で気分をリフレッシュすることも可能ですが、お金を儲けることはできません。その点、自然と触れ合えた上で利益まで見込める農業はとても魅力的といえるでしょう。
農地はどうすればいい？
農業を行うには当然、土地が必要となります。使用できる土地が広ければ広いほど、収穫できる作物は増えます。しかし副業にそこまで元手を費やすのはナンセンスです。
メインの仕事であれば投資も必要ですが、あくまで農家はサブ業務。できるだけ土地代は安く済ませたいところです。
そこで活用したいのが貸し農園です。首都圏でもレンタル農園を行っているところがあります。つまり必ずしも都会から離れる必要はないのです。
月額一万円以下のリーズナブルな設定をしている場所や、無料体験を設けているシェア畑も少なくありません。
まずは実際に足を運んでから借りるかどうかを検討してみてください。先に始めている副業農業の先輩が恐らくいるはずです。積極的にコミュニケーションをとって、教えを乞いましょう。
農具について
土地選びが無事終わったら、次にすべきことは農具をそろえることです。最近はとても便利な時代になりました。ホームセンターやネット通販を利用することで、簡単に必要な農具を買いそろえることができます。
必ず購入してほしいのが「鎌、鍬、熊手、一輪車、スコップ、ショベル、レーキ」です。鍬には備長鍬や平鍬などいくつかのバリエーションがあります。
農業はコツを掴むと収益が上がります。そのときに導入したいのが耕運機や刈り払い機。最初は手作業でまかなえていたことも、規模拡大につれて難しくなります。しかし農機具さえあれば百人力です。ただし数十万は必要になりますので、計画的な導入が望ましいでしょう。
収益が上がって農地を拡大できれば、トラクターや動力噴霧機などの購入も視野に入れましょう。軽トラックはあらゆる場面で役立ちますので、余裕がある人は買っておいてもいいでしょう。
「年月とともにステップアップしていきたい！」といった思いがある人は、どの段階で何が必要になるのかを頭に入れておきましょう。きっとその知識は先々になって活きるはずです。
週末農業は可能？
会社勤めをしている人であれば、平日に農業を行うことは基本的に無理と考えるべきです。土曜日、日曜日が休めるという人は、週末農業にチャレンジしてみてください。
重要となるのが作物選びです。週に一度の手入れで済むものがあります。そういった作物を購入すれば、週末のみの作業で十分事足ります。
ビニール栽培をすれば風雨を防ぎやすくなりますので、そこまで手間隙をかける必要がなくなるでしょう。
手間がかからないミョウガ
初心者におすすめなのがミョウガです。逞しく、そこそこ放置しておいてもぐんぐん育ちます。繁殖力が高いので、しっかりと土地に根付かせることができれば、何年にも渡って収穫し続けることができます。
作物を育てるためには、周囲に生える雑草を抜かなければなりません。しかしミョウガを密集して栽培することにより、雑草が増えることを自然に防げます。
ミョウガは繁殖力旺盛な作物のため、一度育てると、そのあとに別の作物を植えることが実質不可能になります。それらの事情を分かった上で、ミョウガの栽培に挑んでみてください。
山菜キング・タラの芽
山菜の中でトップに君臨するといわれることもあるタラの芽。こちらはどのような土地でも育つため、初心者に推奨しやすい作物です。雑草が近くにあっても抜く必要がありません。タラの芽は雑草が近くに生えていた方がアクが強くなり、収穫した際に山菜らしい風味を持つようになります。
放置していると根から別の新しい芽ができ、どんどん増えていきます。タラの木を等間隔に植えて、その間にふきやコゴミといったほかの山菜を植えましょう。そうすることにより収益効率を上げやすくなります。
収穫までに一年以上の時間が必要となりますので、くれぐれも焦りは禁物。待ちに待った収穫のときは、喜びもひとしおでしょう。収益はもちろん大切ですが、「売りに出せるまで立派に育て上げた！」という充実感もまた大きな報酬です。
最大限に考慮すべきこと
農作業自体はひとりで行うことが可能です。しかし周囲で農作業をしている人の存在を忘れてはいけません。もし害虫が作物につくと、周りの農地にも高い確率で悪影響を与えます。
精魂込めて作った農作物が一瞬にしてダメになってしまうショックは甚大です。そのような事態に陥ると、円滑にコミュニケーションをとること自体が難しくなります。
自分だけでなく周囲を苦しめてしまうトラブルを起こさないためにも、農地には細かく気を配り、良い状態を維持できるようにしましょう。
また周辺で農業をしている人には、小まめに声をかけておくことで様々な情報を得られます。何事においても人間関係が大切。細やかな心遣いを忘れないようにしてください。
まとめ
農業をすることで、そこから学べることはたくさんあります。ネットで得られる情報は誰かが書いた知識でしかありません。しかし農作業という体験を通して得られたことは、あなたにとってかけがえのないものとなるはず。
副収入を得られるだけでなく、人生の充実度を上げてくれるのが農業です。興味を持った方は、ぜひ挑戦してみてください。
