定年を迎えて仕事を辞めたら収入はどうなるのか?
日本人は長生きする人種だと言われており、事実平均寿命が世界で一位に輝いています。
しかし生きるのもタダではありません。
生きるためにはお金が必要、だからこそ人は働いて日銭を稼ぎ、生活しています。
ただ……そのお仕事も基本的に死ぬまで続けようとするなら、自営業以外は難しいと言わざるを得ません。
「定年」として仕事を辞める事になる年齢は決まっており、定年退職を迎えれば結局無職となるのです。
仕事が無ければ収入が無い……というわけでもなく、定年退職を迎えた方であれば「年金」という形で収入を得ることができるでしょう。
しかし年金というものは、ただもらえる年齢になったからもらえるというものではありません。
ここでまずは老後の基本収入たる年金の仕組みについて見ていきましょう。
年金の仕組みについて
年金の仕組みを簡潔に言ってしまえば、「現役時代に保険料を支払い、老後に年金を受け取る」というもの。
ただよく勘違いされるのですが、支払った保険料が戻ってくるわけではありません。
というのも、年金は現役時代の人間が高年齢層の人間の年金を支払っていると言えるような仕組みで成り立っているのであって、現役時代に支払った年金が戻ってくるのでは無く、自分が高年齢層に移った事で現役時代の人間が支払った年金負担によって受給できる年金が用意されているというだけなのです。
そして年金は誰でも受給できるというわけではありません。
しっかりと保険料保険金を支払っている人だけが、年金の受給資格を得ることができます。
これまで年金を受け取るための資格を得るには、25年間保険料を支払い続ける必要がありましたが、平成29年の8月1日から10年以上と15年も必要期間が短くなりました。
受け取れる年金には3種類ある
年金の基本的な仕組みは上記の通りになります。
続いて年金の種類について触れていきましょう。
年金には基本である「国民年金」があり、その上に「厚生年金」と「企業年金」の計3種類が存在します。
国民年金は年金に加入していれば最低限の条件を満たしていれば受け取ることができます。
そして厚生年金は、主に会社員や公務員の人が加入でき、加入すると国民年金と合わせて受け取ることができます。
最後の企業年金は企業が社員に対して年金を支払うという仕組みです。
それぞれ条件がありますが、加入していればそれぞれの年金が受給できます。
すなわち最大で3つの年金が収入となるのです。
年金はあくまで生活するためのお金
年金は老後における基本収入だと言えるでしょう。
しかしこれはあくまで生活するためのお金です。特別蓄えがあるのならまだしも、それほど余裕が無いのであれば、生活費として消えていってしまうでしょう。
老後こそある意味で人生に1番時間がある時期だと言えるかもしれません。
ただのんびりと余生を過ごすもよしですが、現役時代は仕事で手が出せなかった事や、新しい趣味に取り組むためにお金を使いたいという方も居るでしょう。
あるいは自分の死後、遺産として残せるようなお金を用意しておきたいという方も。
そんな方のために老後のお金稼ぎについて解説していきましょう。
資産運用でお金を増やす
お金を増やす、詰まるところ「資産を増やす」ということであれば資産運用、投資がメジャーだと言えるでしょう。
FXの自動売買や株式の信託投資のように、時間がない人でも投資活動が行えるようになる方法はあります。しかしそれら時間が無い人のための手段があるということは、投資は時間が必要な行為であると言いかえることもできます。
そこで、老後に自由に使える時間が増えたことを利用して投資活動を行うという高年齢層は結構な数存在しているのです。
投資活動は年金と合わせて、老後のメイン収入になると言えるでしょう。
それでは主な投資手段の紹介と特徴の解説をしていきましょう。
株式投資の特徴
投資といえば、やはり1番馴染みがあるのは「株式投資」でしょう。
株式会社というのはこの株式投資に関わってきます。
企業というものは何をするにも資金が必要です。しかし銀行から借りるのでは返済の必要がありますし、金利によって結局は借りた時よりも多く支払わなければならなくなります。
そこで企業が資金を集めるための手段として「株式」が存在しています。
この株式は、企業が株券というものを発行し、投資家がそれを買う事で資金を集めるという仕組みです。
株券そのものはただの紙束のようなものですが、その株券に価値を持たせるために、企業は株を購入した投資家、つまり「株主」に対して様々な優待を行ったり、配当金という形で利益を還元します。
株式会社が多く存在していることからも分かる通り、この方法で資金を集めるのは企業にとってメリットが多いのです。
最大のメリットは、「お金を借りるわけではない」ということ。
あくまで株券を売っている、というだけで、お金を借りているわけではありません。配当金という形で還元することもあれば、別に配当金自体は企業がするかしないかを決めることができます。
投資家側からこの株式を見ていくと、基本的に長期的な運用が前提となる投資方法になります。
企業側の仕組みについては前述の通り、配当金がもらえない企業もあります。ではどのように投資家は利益を出すのかというと、買った株券を他の投資家へ売却することによって利益を出します。
株券の価値は一定ではなく、企業の成績によって変動します。
企業が業績を伸ばせば株券の価値が上がり、売却によって差額を得ることができます。
FXの特徴
続いてFXについて、FXは株式投資でやっている「差額で利益を得る」という仕組みは同じで、対象が通貨となっています。
例えば日本円でドルを買い、購入時よりもドルが高くなれば利益が出るということ。
こちらの特徴は、株式よりも短いスパンで取引が行われことです。
株式の場合価格変動に大きく関わるのは企業の業績であり、長く見ると1年、短くても月単位で変動が起きます。
それに対しFXでは24時間いつでも価格変動が起きる可能性があり、株式よりも張り付いていなければならないため、結構忙しい投資方法だと言えます。
しかしこちらは自動売買というものを利用することで、投資家はプログラムを選択するだけという手軽さでFXを利用することができます。
まとめ
以上、老後の収入についてまとめました。
年金と資金運用、これが老後の基本的な収入となります。
定年を過ぎても働きたいという方も、そういった人でも働ける職場はいくらでもあります。
年金をもらうためには保険料を払う必要がある、投資をするには元手となる資金がいる。
しっかりと老後を考えて行動するようにしましょう。