副業をするうえで理解しておきたい雇用保険
どんな副業をするか?この副業はどのくらい稼げるのか?実際の作業時間はどのくらいなのだろう?副業を考えている人はこれらのことを考えていることでしょう。しかし、ちょっと待ってください!副業をするのなら、雇用保険についても理解をしておくことを強くおすすめします。理由については各項目でお伝えしますが、知っていると知らないとでは大きな違いになるかもしれませんよ。
雇用保険とは?
簡単に言うと、失業をしてしまった際に再就職を考えている方は国が援助をしますよという制度です。安心して再就職をするためのサポートを国から提供されており、退職者の多くが活用しています。また介護や育児などの理由で退職しても手当をもらえるので、雇用側にとって受けておきたい保険の一つといえるでしょう。
雇用保険における最大のメリットは失業手当
さて、気になる手当についてですが、どんな条件でどのくらいもらえるものなのでしょうか?ポイントとしては年齢、半年の給与、勤続年数、退職理由により算出することが可能です。おおよその目安として、月収の50%~80%の間が受け取れるとの認識を持つといいでしょう。
基本的に低所得であればあるほど80%に近い割合の手当てを受け取ることができます。詳しい計算式に関しては厚生労働省に掲載されていますので、気になる場合は計算してみるといいでしょう。しかし、失業手当をもらうということは自身が無職の状況になることを指します。もろもろのことを踏まえて、月収の50%程度を受け取れる考えのほうがいいかもしれません。
失業手当は自主都合か会社都合でルールが分かれる
失業手当は退職をしたら、一律で手当てがもらえる制度ではありません。自己都合か会社都合により給付期間が変わります。自己都合の場合は90日間、会社都合の場合は180日間です。こちらも覚えておくといいでしょう。
特に自己都合で退職する際は、次の就職先を考えておかないと状況が悪くなるかもしれません。その理由として自己都合の場合は3か月間の待機期間が設定されているためです。待期期間とはその間、失業手当の受け取りができない期間です。待期期間が終了後に失業手当を受け取れますので、注意するようにしましょう。
雇用保険の適用になる条件の一つは週20時間以上の労働
雇用保険の適用には3つの条件があり、下記となります。
1.週の労働時間が20時間以上であること
2.雇用期間が31日間継続される見込みであること
3.雇用保険の適用事務所が勤務先であること
そして、ポイントになるのが雇用保険は2社以上から入ることが不可能であることです。原則としては本業としているほうから雇用保険を適用するのがいいでしょう。副業をして複数の会社から給与をもらっている場合、雇用保険に入っている会社の収入で失業手当が計算されるからです。
個人事業主の場合は失業手当の適用外になる可能性も
原則として再就職を支援するための制度ですので、再就職を考えていない人には支給されません。つまり、副業をしており税制のメリットのために個人事業主の届け出を出している方は、失業手当の適用外になる可能性があります。ポイントとしては副業における収入が目安になります。具体的な金額の目安は発表されていませんが、生活ができるレベルと判断されれば失業手当をもらえませんので注意して下さい。
不正受給は絶対にダメ!
副業でいくらかの収入があり、それを隠して失業手当を受け取ることはしないようにしましょう。基本的に調べれば、バレてしまうものなのでリスクのほうが高いです。失業手当の申請時に副業などの収入があるか聞かれますが、その際は正直に申告するようにしてください。
失業手当をもらうためのステップ
失業手当をもらうためのステップとして、下記の4つがありますのでチェックしてみましょう。
1.雇用保険被保険者離職票1・2、印鑑、写真(縦3センチ×横2.5センチ)、普通預金通帳、マイナンバーカードまたは通知カード、本人証明書を持参して最寄りのハローワークに行く
2.職員の指示に従い書類を作成する
3.失業手当資格があると判断された場合、受給説明会に出席する
4.求職活動をする
雇用保険被保険者離職票とは、離職時に会社から受け取る書類です。この書類はなくさないようにしましょう。また、ハローワークで書類を作成する際に職員からいくつかの質問をされます。その質問によって失業手当受給資格があるか判断されます。
大まかなところとしては再就職する意思があるか、すぐに働ける状態なのかを質問されます。そして最後の求職活動は、実際に会社に応募する行動やスキルを学ぶための講習会などに参加することを指示しています。ハローワークでは従業員の募集している会社の紹介や講習会の日程もありますのでチェックしてみましょう。4週単位で失業手当をもらえるようになるでしょう。
副業である程度稼ぎ始めたら雇用保険はもらえないと思いましょう
たとえば「本業の半分くらい副業で稼げたから、本業の時間を副業に回しちゃおう。仮に稼げなかったら失業手当あるし大丈夫だろ」なんて思っていると、思わぬ大打撃を食らうかもしれません。この場合は自己都合による退職になると思われますので、3か月の待期期間も考慮する必要があります。脱サラをして副業を本業にすることは喜ばしいかもしれません。しかし、ルールをちゃんと知っていないと痛い目を見てしまいます。
まとめ
雇用保険は従業員を守るための制度であり、万が一や想定外の時に役に立つものと考えておきましょう。安易な考えで失業手当がもらえるから大丈夫ではなく、自身の状況やルールを理解したうえで対応するようにしてください。今回のポイントとしては自己都合の場合は3か月の待期期間があること、失業手当は月収の50%~80%程度であることを念頭に置いておくといいでしょう。